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No.180話:管理職は社員であり、経営者ではありません。

近年、経営者からご相談をいただく事案に「管理職を引き受けてくれる人材がいない。」というものがあります。「この人に是非とも管理職になって職場を引っ張って欲しい。」と思い、実際にその人材にその旨を打診すると、「私には無理です。一プレイヤーとして働かせてください。」と、あっさりと断られることが多いということです。

会社にとっては管理職の担い手不足は深刻な問題で、組織運営において機能不全を招きかねません。では、なぜ管理職の担い手不足が生じるのでしょうか。様々な要因が考えられるのですが、代表的なものに「責任の重さや仕事のハードさの割には、処遇(賃金など)が見合っていない。」「思った以上に職務上の権限がなく、仕事の責任は一般従業員のときとあまり変わらない。」といったことが挙げられます。

彼らは上司の姿を職場で目の当たりにしています。上司の日々の様子を見て報酬や仕事の面白さを感じることができなければ、自身が管理職の打診を受けてもわざわざ大変な仕事を受けようと思う人は少ないと思います。

さらには、管理職を受けて責任をもって日々の業務上の目標達成に向けて取り組んでいるにも関わらず、目標未達となり収益に損失がでたときに経営者から「管理職として損失の責任を取れ。賃金を返上しろ。」などといわれた日には「そこまで言われる筋合いはない。」と憤り、賃金ではなく管理職を返上したくなるのではないでしょうか。

管理職とはいえ一従業員であることに違いはありません。彼らは経営の一翼を担ってはいますが、経営者ではないのです。職場の管理を任せて、その結果において目標達成ができず損失が生じたとしても、最終的な経営責任は任命権者である経営者が負うべきものです。それを忘れてすべての責任を一従業員でしかない管理職に求めることはあまりにも「酷」であり、「お門違い」と言わざるを得ません。これでは管理職の担い手がいなくなったとしても不思議ではないと思います。

もちろん、配属する職場で生じた結果に対しての管理職の職務上の責任はあります。それに対して経営者ができることは評価において結果責任を求めるか、任命権者としてその人材を諦めて別の人材に変えるかしかありません。経営者のすることは「あなたが悪い。」「あなたがすべての損失の責任をとって何とかしなさい。」と自ら任命した管理職に詰め寄ることではありません。

事業運営上において発生した結果の最終的な責任は経営者が負うものです。何か経営上の不都合があったときに責任を取らせるために管理職を置いているわけではないはずです。管理職が安心して担当業務に挑戦できてこそ、「自分も管理職になってみようか。」と思うのではないでしょうか。まずは経営者と管理職の立ち位置をよく考えるようにしてください。

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