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No.182話:「意識高い系」は若い世代にもいます。

「若い従業員は何を考えているかわからない。」「仕事もろくにできないのに、有給休暇はキッチリ申請してくる。」このような嘆きを年配の経験者や管理職からお聞きすることがあります。そのような嘆きには次のようにお答えしています。「若い従業員は何を考えているかわからない。」については、「世代が離れているのだからわからなくて当然です。(むしろ理解できる方が不思議です。)」と。「仕事もろくにできないのに、有給休暇はキッチリ申請してくる。」には、「その年代で与えられた仕事ができるかで判断してください。先輩社員や管理職と比べるのは酷ですよ。」と。

年配者にとって若い世代の従業員の行動に対しては理解が及ばないこともあり、色々とご不満もあろうかと思います。しかし、「若いから仕事が満足にできない。」「若いから遊ぶことばかり考えて仕事は疎かになっている。」と考えることは少々、早計ではないかと思います。若い人たちも基本的には「仕事を早く覚えて、会社に、社会に貢献したい。」「楽しく仕事に取り組みたい。やりがいのある仕事をしたい。」「上司、先輩、同僚と切磋琢磨して仕事をしたい。」と考えています。

一方で「仕事を怠けたい。」「今日は気持ちが乗らないから会社を休みたい。」といった仕事に対してネガティブに考える若い人も確かにいます。しかし、これは年配世代でも同じで一部の人の考えでしかありません。決して「若い人=仕事に意欲的でない。」と考えるべきではないということです。では、どうして年配者がこのように彼らに対してネガティブに考えてしまうのでしょうか。それは自分たちの世代の価値観で若い人たちを判断してしまうからではないかと思います。

年配世代では「価値あるもの・意味のあるもの」と考える仕事の進め方と比べて、若い世代が違う仕事の進め方をすると「その進め方は間違っている。」「なんでそんなやり方をするのだろうか。だからダメなんだよ」と感じてしまうようです。しかし、若い世代の仕事の進め方が本当に100%間違っているのでしょうか。もしかすると、若い世代の方法の方が早くて、確実で、大きな成果を得られるかもしれません。

もちろん、若い世代の仕事の考え方や取り組み方の多くは浅慮なもので間違っていることもあります。しかし、時代背景は急速に変化しているのですから、ときには「あっ、なるほど。そんな方法があるのか。この方法は斬新なものでいいぞ。」ということもあり得るのではないでしょうか。大切なことは彼らのやり方を「自分たちとは違うから間違っている。」と軽々に判断するのではなく、冷静になって観察し彼らの意図することを聞いてみてから判断して欲しいのです。

「俺の背中を見て仕事を覚えろ。」「先輩の仕事は目で盗め。」も全く否定するものではありませんが、頭ごなしに若い世代の仕事を否定することは明らかに逆効果でしかないと思います。彼らの「仕事を早く覚えて、会社で同僚とやりがいのある仕事をしたい。」という仕事に対するポジティブな気持ちを見守り、育んで欲しいと思います。

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