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183話:「不安」は従業員にとって転職の大きな動機です。

「従業員の定着率を向上するには何が重要ですか。」という経営者からのご相談には、「従業員の不安を取り除く努力をして下さい。」と答えるようにしています。従業員にとって会社に対して「何らかの不安」を感じるようになると、その会社で働くことをやめて退職を検討するようになるからです。

この「何らかの不安」とは「この会社は数年後も存続しているのだろうか。」「現在の経営者が変わったら、会社の社風も変わってしまうのではないだろうか。」「この会社に在職し続けて10年後、20年後に賃金は上がっていってくれるのだろうか。」「結婚して、子供を育てていける賃金が今後、期待できるのだろうか。」「この会社で仕事をすることで、世間でも通用するようなスキルを身に着けることができるのだろうか。」といった将来に対するものです。また「この会社の事業は社会に貢献できているのだろうか。」「違法な取り引きをさせられたり、違法な雇用環境で働かされているが、この会社に社会正義はあるのか。」といった会社の存在意義に対するものであったりします。

人間は「不安」を感じると行動をストップしてしまうといわれます。歩んでいる道の先が暗くて見通しが悪ければ、「この道であっているのだろうか。」と感じて歩みを止めるのと同じです。そして、「他の道がないか」と地図を見てルート検索をしたり、道を引き返したりします。

従業員も同じで、入社した会社に「不安」を感じると日々の業務に専念することができなくなります。そして、「このまま、この会社で働き続けても大丈夫だろうか。他にも自分が求める理想の会社があるのではないだろうか。」と思い悩むに違いありません。

若い人材ほど「一旦この会社を退職して、もう一度会社探しをしてみよう。」「違う仕事の選択ができるように資格や技能の勉強をしよう。」と考えるものです。また、年配の従業員は「年齢」というハンディがあり容易に転職を選択しないものの、会社に「不安」を感じると若い人以上にモチベーションが上がらずに働き続けることになります。さらには「不安」は会社に対する「不信」や「不満」となって現れてしまうことから、会社にも従業員にも大きな悪影響が生じます。

以上のことから、従業員を長く会社で頑張って働き続けてもらうには、まずもって会社に対して「不安」を抱かせないようにすることが大切です。また、彼らが「不安」を抱くことがあっても、できるだけ早くその「不安」を取り除くことです。

そのためには、社会貢献に根差した会社としての事業運営の明確なビジョンを持ち、丁寧なコミュニケーションを通じて従業員とそのビジョンを共有することです。そのビジョンによって、従業員が10年後、20年後の自身の活き活きと働く姿をイメージができれば、そう簡単には「不安」につながることはありません。

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