『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

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No.189話:従業員の行動が正しいか否か判断できますか。

従業員の勤務時間、休日、賃金、服務といった労務管理について、経営者の方からご相談をいただくのですが「何が正しいのかわからないので、対応に本当に困ってしまう。」という本音を伺うことがよくあります。

従業員側も「何が正解かわからない」という状態で、ただ「友人からアドバイスを受けた。」「ネットで話題に上がっていた。」というだけで経営者に質問、あるいは要望してくるといったケースが多いようです。従って、それに対する受け手側の経営者も「どう答えればよいかがわからない。」のということが背景にあるようです。

すなわち、すぐに解決しなければならない課題や要求もあれば、対応する必要のない他愛のない質問や要望もあるということです。問題はその判断ができる知識が経営者に「乏しい」ように思います。もちろん、経営者にすれば「正しいか、間違っているかを助言するために法律家やコンサルタントのような専門家と契約しているのではないか。」と反論したくなるとは思いますが。

しかしながら、ここでいう「知識が乏しい」というのは基本的な判断ができる知識のことです。これはさすがに持っておいて欲しいと思います。例えば「なんで会社には退職金(賞与)がないのですか。退職金(賞与)がないなんて労働基準法違反ではないですか。」とか「毎年、賃金は昇給するべきですよね。何故、私はここ3年昇給がされないのですか。おかしいですよ。」といった質問、要望に「退職金(賞与)は会社ごとの任意の制度だよ。法律で義務付けられていないからね。うちの会社はないんだよ。」あるいは「昇給するか否かは会社が決めること。3年昇給しなくてもおかしくない。」と経営者が答えることができるかということなのです。

すなわち、労務管理上の「正解・不正解」がなんであるかを知っておくことが求められるということになります。確かに服務規律には従業員が「してはならないこと」「しなければならないこと」が記載していますから、それを判断基準に回答することはそれほど難しくはありません。しかし、従業員の行動すべてを服務規律で網羅しているわけではありません。服務規律に記載していないことであっても、判断できる基準を経営者はもっておかなければならないということです。

特にご注意いただきたいのは、世の中で一般に言われていることは「流れ」であったり、「将来の展望」も含まれているということです。つまり、すべてが法律で定められているものではなく、当然「義務」ではないものもありますから、「義務」なのか「流れ」なのかを見極められるかということが大切になります。

その見極めができることで「えー、ウチの会社って副業・兼業を認めてないのですか。政府も方針で副業・兼業を促進するように言っているのに遅れているじゃあないですか。」と従業員が不満を漏らしても、「わが社は事業の特性上、副業・兼業は認めていない。世の中の流れに遅れているかもしれないが、法律に違反しているわけではない。理解して頑張ってくれ。」と毅然と対応できるようになり、従業員の安心にもつながることになります。

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