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No.190話:「苦手」と言うだけで部下との会話から逃げないこと。

経営者とお話をしていると「上司と部下のコミュニケーションが少なくなった。昔は良きにせよ、悪しきにせよ職場でのコミュニケーションは盛んであったんだけどね。」ということをお聞きします。確かに上司と部下に限らず同僚間のコミュニケーションが年々、少なくなっているように感じます。職場での会話機会の低下は仕事のミスやモチベーションの低下と言ったマイナスの影響を会社に与えますから経営者には深刻な問題です。では、何故、職場での会話の機会が少なくなってきたのでしょうか。

様々な背景があり、一つの要因に限定することではありませんが、ここでは2つほど例示します。まずひとつはメールなどのパソコンを通じての意思疎通の手段が進展して、言葉での直接的な意思疎通の機会が減ってきたことが考えられます。そして、メールでの意思疎通に慣れている世代は言葉での意思疎通が「苦手」となってしまい、ますます言葉での意思疎通が敬遠されるようになってしまいました。今やこのような「苦手」世代がビジネスの世界では中心となっています。このようなことから、言葉でのコミュニケーションが少なくなっていると感じることにつながっているのかもしれません。

もう一つは、最近は上司が部下から職場で「ハラスメント」ととられないように、必要以上の部下との接触を回避するような傾向があることです。仕事中のミスや遅刻などの勤務状況の悪さを「厳しく」注意指導するだけで、「パワーハラスメントだ。」と会社の窓口に相談されるようでは、注意指導も慎重にならざるを得ません。このようなことから必要以上に上司と部下の対話機会を避けるような傾向が見られます。

しかしながら、冒頭に申し上げたように上司と部下のコミュニケーションの低下は様々な影響を会社の事業運営に及ぼします。何よりも若い人材にとって、「今、自分の取り組んでいる仕事の進め方は正しいのだろうか。」といった仕事上の悩みや、「同じ職場の先輩がみんな無口で何だか自分だけが取り残された感じがする。」といった職場の人間関係の不安を取り除くには、ことあるごとに上司と部下の会話を取ることが不可欠です。

若い人材の悩みや不安が解消されなければ、彼らのモチベーションは上がってきませんし、仕事の効率も向上することはありません。そして、やがては「他の会社で頑張った方が良いかもしれない。」と転職を選ぶことになりかねず、「人材の流出」という会社にとっての大きな痛手を被ることになります。

「最近の若い人材は何を考えているかわからない。」「あまり能動的に会話をするとパワハラの誹りを受けかねない。」「そもそも、自分は会話が苦手なんだ。」という管理職がいますが、そんなことを言っている場合でないのです。確かに現代社会において会話にはある程度の「工夫」や「スキル」が必要です。しかし、会話をしてみないことには「工夫」することに気が付くこともありませんし、「スキル」が身に付くこともありません。恐れずに積極的に上司として部下との会話にトライすることが何よりも大切ですよ。

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