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No.193話:「採用」にこそ費用と時間を掛けるべきです。

「営業職の経験が豊富だと聞いて採用したのに、営業業務はいい加減で外回り中は喫茶店でサボってばかり。当然、営業成績も全く残してくれない。挙句には取引先ともめて『出入り禁止』となる等、問題ばかりの従業員がいるが辞めてもらうにはどうしたらいいか。」というご相談、これもよくある事案です。

この事案の従業員を解雇できるか否かですが、まず「営業成績が悪い」については会社側がある程度充実した指導教育を施しているかが求められます。従いまして、ただ「営業成績が悪い」だけでは解雇理由にはなり得ません。

また、取引先とトラブルになって「出入り禁止」となった場合、もちろん従業員には「戒告」といった注意指導の処分が下されますが、たとえ「取り引き停止」の事態に及んだとしても、これをもって解雇は「厳しい」と判断されると考えらえます。

「喫茶店でサボってばかり」という常習的な「怠業」については解雇処分の対象となり得ますが、同僚等の情報だけでは常習的に「サボっている」ことを証明するには不足ですから、客観的な証拠資料(写真や動画など)を用意する必要がありますから、こちらも実は結構大変ハードルが高いということになります。

以上のように「採用時に期待していた働きぶりをしてくれない。」という理由で解雇することは非常に困難と言わざるを得ません。また、解雇を選択せずに事情を説明して退職を提案しても、本人が「辞めたくありません。」拒否をすればそれまでになります、いずれにしましても、一旦雇い入れた人材を解雇する、あるいは退職してもらうことはとてもハードルの高い問題です。当然、「解雇する。」「退職してもらう。」ことを強引に推し進めれば、担当者の業務が増えてストレスもかかってきます。費用も時間も取られる頭の痛い問題となります。

このような問題に遭遇するといつも感じることは「何故、このような人材を雇用したのですか。」ということです。履歴書や職務経歴書のみならず、面接時の所作や受け答えを観察すれば「採用」という選択はないというような人材を、「職場に人が足りない。」という切迫感で安易に「採用」してしまうケースが増えているようです。しかし、早かれ遅かれ結果は目に見えています。そして、「雇用契約を解消するためにこんな苦労をするくらいならば、採用しなければいいのに。」とどうしても感じてしまいます。

実際に従業員の定着率が高い会社は「採用」に必要以上に時間と労力、そして費用をかけています。求職者を増やすために様々な宣伝活動を行い、採用担当者がしっかりと時間を掛けて書類の審査、3回以上の面接、そして採用試験を行い、これらをクリアした人材のみを「採用」しています。採用基準に到達しなければ躊躇なく採用を見送ります。「解雇」「退職」で費用と労力をかけるくらいならば、それをもっと「採用」に費やす方が効率的なのではないでしょうか。

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