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No.195話:雇用することは責任を伴うことを自覚してください。

多くの時間と労力をかけて書類審査、面接、試験と採用選考を経て、会社は必要な人材を「雇用」します。とはいうものの「雇用」した人材すべてが、採用後に満足のいく成績を残すことができないケースもあります。

「思った以上に作業スピードが遅くて、職場全体のスピードが低下している。」「これまでの新入社員の初年度の営業成績と比較にならない成績だ。こんな酷い実績は見たことがない。」という事実に、「この人材を採用したことはミスだ。」と経営者や採用担当者が思いたくなるお気持ちは十分理解できます。

そして、その人材を抱え込む職場の負担の重さに「何とかして、早々にこの人材との雇用契約を解除できないものだろうか。」と考えるのは、経営者、人事担当者としてはあり得ることです。とりわけ規模の小さな会社ではその人材の雇用を継続することで事業運営に悪影響を及ぼしかねませんから、「解雇」も含めて雇用契約の解除に動き出したくなる気持ちも首肯できます。

しかしながら、その人材を「雇用する。」と決定したのは会社側であることを忘れてはいけません。十分な書類審査や面接といった採用選考を行った上で「雇用」したのですから、入社してから「能力が期待した以上には発揮していない。」「業務を習得することが他の人材よりも遅い。」というようでは、「どんな採用選考をしたのですか。いい加減に審査や面接をしていたのではないですか。」などの誹りを受けても文句の言いようがないのではないでしょうか。

「正当な理由もなく欠勤する。遅刻する。」「同僚に暴力を振るう。トラブルが絶えない。」「サボってばかりでまともに業務をしていない。」という雇用契約の本旨に反する行為が労働者側から生じていることであれば別ですが、会社のルールを守って真面目に働いている以上は、「能力が低い。」「仕事が遅い。」ということだけで雇用関係を解消することは余りにも会社の身勝手だと思います。(低能力者の解雇に関する訴訟においても裁判所は同じような視点で判断しています。)

「ひと度、雇用した以上は採用選考時に期待した能力を発揮するまで、気長に指導と教育を施していくぞ。」「必ず会社の戦力となるように一人前の人材に育てて見せるぞ。」という気構えで責任をもって人材を「雇用」して欲しいのです。

時間と労力をかけて真面目に採用選考に取り組んで獲得した人材なのですから、間違いのある人材なんて採用していないはずです。ですから採用担当者の選考力を信じてください。そして、採用した人材の成長を信じてあげてください。「期待外れだなあ」「選考ミスかな」は逃げ口上でしかありません。家族もいる、家庭生活もある一人の人間を「雇用」したことに、会社として重大な責任を感じて欲しいと思います。

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