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No.215話:「評価」は「処遇」に反映されなければ無意味です。

「この5年ほど、賃金が全く変わっていない。」「人事評価は毎年行われているが、自分の評価の結果が賃金に反映されていない。」このような話を労働者の方から聞くことがあります。これは中小企業に限ったことではなく、大企業に働く労働者からも聴くことがあります。また、このような声は若い人材よりもベテランの中堅労働者からのものが多いようです。

一方で中堅労働者の彼らからは「会社の業績が伸び悩んでいるから仕方がない。」「下がらないだけマシ。現状維持でもありがたい。」という会社の事業運営を担う中間管理職ならではの感想をいただきます。しかし、子女の教育費や生計費がかさむ年代でもある彼らの本音はどうでしょうか。

毎年、会社の目標数値の達成に貢献しているにも関わらず「会社全体の業績が良くないから」という理由で定期昇給が見送られ、賞与も前年とほとんど同額であれば口では「管理職だから仕方がない」とは言いながらも、「よし、来期も頑張ろう」という気持ちにはならないのではないでしょうか。

「いつも管理職として第一線で頑張ってくれてありがとう。業績が回復したら『いの一番』に昇給をするからな。」と社長に感謝されれば、「ありがたい」「光栄だ」とは思うものの、いつまでも同じ賃金が続くようでは正直、「つらいなあ」という気持ちになるのは当然と思います。

これが若い人材であればなおさらです。「課長と先日も今期の評価について面談をして高評価を頂いた。しかし、前期と賃金が変わらないのであれば、評価面談の意味がない。」という状態が続けば、「目標管理制度」における人事評価も無意味と言わざるを得ません。若い人材であればあるほど、モチベーションの低下どころか転職を検討することになりかねません。これは会社にとって損失以外の何物でもないということです。

「会社の業績が悪くて賃金で報いることができない。」という経営者の深刻な悩みは理解できます。しかし、事業運営に不可欠な労働者の頑張る意欲を低下させて、挙句に転職されてしまえば業績低迷どころの話ではなく、会社の存続に影響を及ぼす事態を招きかねません。従って、決してそのままにしておいてよい話ではないということです。

少なくとも労働者が「この会社は真面目に働いていれば、必ず賃金が上がっていく。」という期待を持たせなければならないと思います。そして「経営が厳しい中でも、社長は賃金の引き上げに取り組んでくれている。」という経営者への信頼を維持していかなければならないと思います。

昨年よりは今年、今年よりは来年。年々、賃金が上がっている。」という実感を与えることが重要だと思います。ほんのわずかでもいいので、毎年の賃上げに取り組んでみませんか。「たったこれだけ?」と思う労働者もいるかもしれません。しかし、厳しい経営状況でも賃上げに取り組む社長の思いは伝わる人には伝わるものですよ。

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