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No.224話:「後輩の面倒を見る」という意味をはき違えないこと。

職場に新しいメンバーが配属されると、先輩従業員が上司から「彼(彼女)の面倒を見てあげて」と依頼されると思います。いわゆる新メンバーの指導教育担当の指名です。指名を受けるということは、経験済みにしても初めてにしても、「後輩への指導能力がある」と期待されているわけですから光栄なことに間違いはありません。

さて、この「面倒を見る」という言葉ですが、その言葉に付随して上司から具体的に「仕事の進め方」「職場での同僚との付き合い方」「取引先、顧客への接遇」などが提示されると、指導教育すべき範囲が理解しやすくなります。しかし、こういう具体的な指示がなければ、どこまで「面倒を見る」べきなのかが分かりませんから、受け取る先輩従業員によって解釈が異なってしまいます。

例えば、「仕事の進め方だけ教えればいい」という狭い範囲で理解してしまうと、依頼した上司にとっては指導教育の内容が物足りなく、「全然、面倒見ていないじゃないか。もっと来客への対応を教えてくれないと。」という追加の指示をせざるを得なくなります。

一方で、職場で仕事に関連する以外のプライベートな時間までも「面倒を見る」ような、広い範囲で受け取られると、上司にとっては「そこまではお願いしていないのだけれどもなあ」ということになります。

終業時間後や休日にも食事やドライブに誘ったり、自分の趣味の釣りや草野球につき合わせてしまったりすることです。後輩が本心から「誘ってくれてありがたい」と喜んでいるのであれば別ですが、「またかよ!」とウンザリするようでは「面倒を見すぎ」ということになりかねません。

それでも、以上の状態であればまだ修正できる余地はあります。困るのは「面倒を見る」ということを、後輩が職場で仕事に慣れるように「支援する」「ケアする」という意味に理解していない場合です。すなわち、自身の手下のように「支配する」あるいは「マウントをとる」と理解して行動してしまうことです。

例えば本来自分が処理すべき仕事を「仕事を覚えさせる一環だ」と後輩に無理やりやらせることや、仕事に関係のない自分の昼食の弁当をコンビニに買いに「使い走り」させるような行為です。これでは上司の求める「面倒を見る」の意味から大きく逸脱することになります。こうなると起動修正が難しくなってしまいます。

そうならないためにも、上司は「面倒を見る」という抽象的な言葉を使わず、求める具体的な指導教育の範囲と「やってはならないこと」を提示することです。それでも実際に指導教育担当に依頼した先輩従業員の行動が、「支援」ではなく「支配」である傾向がみられたときは、新メンバーが職場に失望する前に直ちに別の先輩従業員に変更する他ありません。

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