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No.226話:人材育成には「評価8:指導2」の割合で。

新卒者の3年以内離職率が3割と言われるようになって随分と経ちます。取り立てて近年において急激に増加したわけではないのですが、会社側としては採用費用や労力を考えると何とかしたくなって当然です。また、近年の人手不足の深刻化を背景に、できるだけ多くの若年人材が長く勤めて欲しいというのが切なる願いでもありますね。

では、若年人材は折角苦労して入社ができた会社から、何故に退職(転職)を志すのでしょうか。あるシンクタンクが調べたところ、彼らが退職する理由の多かったものが「労働時間が長い」「休日、休暇がとりにくい」「賃金に満足できない」という労働条件に関するものでした。その次に多いものが「人間関係が良くない」「上司と合わない」という人間関係に関するものでした。

最も多い労働条件に関するものは、労働者本人の価値観によって感じ方が違うものです。同じ仕事で同じ賃金額でも、Aさんは「少ない」と不満に思っていても、Bさんは「十分だ」と満足に思う場合もあります。また、「有休休暇がすべて希望する日に取れない。」と不満に感じる人もいれば、「半分は希望する日に有給休暇が取得できて、自分としてはうれしい。」と感じる人もいます。したがいまして、いくら従業員の希望を慮っても、労働条件の設定で人材を引き留めることはかなり難しいということになります。

一方で人間関係については、いかがでしょうか。確かに難易度の高い課題ではありますが、労働条件の設定のように基準がわかりにくい「雲をつかむような」問題ではないように思います。もちろん、一度壊れた人間関係を修復することは難しいのですが、新しい人材との人間関係を良好にする工夫は十分可能だと思います。

では、若い人材との人間関係を良好にするには何が必要でしょうか。彼らが職場で疎外感を感じるキーワードに「仕事を任せてもらえない。」「メンバーの一員として頼りにされていない。」「注意指導ばかりで評価してもらったことがない。」というものがあります。

若い人材は彼らなりに慣れない仕事に一生懸命に取り組み、覚えて行こうとしています。もちろん、仕事上の間違いやミスは指導されて当然と思っていますが、「できていること」は褒めて欲しいというのが本音です。「私って、褒められて育つタイプなんです。」と言われると「お前が言うな」と言いたくなりますが、これが若い人材の特質の一つなのではないでしょうか。

「褒めて育てる」というやり方は指導する側にとっても決して悪い方法ではないと思います。ミスまでも「褒める」というわけにはいきませんが、「注意指導:2」に対して「褒める・評価する:8」の割合でもいいのかもしれません。「やって見せ、言って聞かせて、させて見せ、褒めてやらねば人は動かじ」という言葉もあります。

「この仕事の出来、とてもよかったよ。でも、この部分をこのように修正するともっと良くなるよ。」と先に褒めてから、注意指導をするなど工夫を交えることです。そうしていくことで、上司として信頼され、職場での従業員同士の良好な人間関係を構築でき、人材の定着が少しでも向上することを願ってやみません。

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