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No.227話:労働時間の管理は会社がするものです。

従業員は出社するとICカードやタイムカードをカードリーダーに接触させて出社時刻を記録させます。退社の際はその逆のことを、また外出や出張についても同様にその行動による労働時間の記録を残すことになります。以上のとおり、労働時間の記録の主担は従業員が行いますが、あくまでも「記録」であって、「管理」ではないということをまずは理解しておいてください。

以前にもこのコラムで同じようなことを申し上げましたが、従業員の労働時間を「管理」するのは会社です。従業員が記録している出社時刻や退社時刻が正確な労働時間であるかを確認し、そうでない場合は「分単位」で修正することを行って初めて会社が労働時間を「管理」していると言えます。

以上のように経営者の方の多くは、労働時間の「管理」について理屈としては理解をされていると思います。とは言いながら、そもそも労働時間とは何であるかについては、実は正しく理解しているとは言い難いように思います。労働時間がわかっていないのですから、当然のごとく修正の判断が正確に行えないということになります。では、労働時間とはどのようなものでしょうか。

「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」には、労働時間は「労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間」としています。これが労働時間の定義となります。言い換えれば「使用者の指揮命令下」にない時間は労働時間ではないということになります。

例えば、17時の終業時刻で仕事を完了して、以降に職場で同僚とプライベートな雑談をした後に退社し、17時27分に退社時刻として記録された場合は終業時刻から退社時刻までの間は「使用者の指揮命令下」にありませんから、これは労働時間になりません。従って、会社は終業時刻が17時27分と記録されている場合は、17時00分に修正する必要があります。(そのまま放置していると17時27分までの27分が時間外労働として扱わなければならなくなります。)このように対応することが労働時間の会社による「管理」です。

そして、会社による労働時間の「管理」は受け身ではなく、より能動的であるべきです。すなわち、会社が主体となって職場に積極的に「管理」を実施していくことです。「長時間労働を解消したい。できるだけ残業はしないように。」というような職場への依存ではなく、「残業はしないこと。どうしても必要であれば、事前に職場の上長を通じて必要な時間を明確にして会社に承認をとってからにすること。」と従業員に徹底することです。

労働時間の裁量権を与えられている管理監督者や「高度プロフェッショナル制度」が適用されている従業員以外は、くれぐれも労働時間を自由にさせてないことです。労働時間の「管理」は会社の人事労務管理の根幹ということをお忘れなく。

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