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No.228話:中途採用者の「格付け」は仮設定でトラブル回避を。

昨今、日本国内での「雇用の流動化」が進展し企業における「中途採用」は、もはや一般的に行われるようになりました。さて、「中途採用」を行う際に難しいものなんでしょうか。それは、その採用した人材の給与などの処遇の設定です。

「中途採用」であっても「第二新卒」での採用であれば、「新卒採用」の初任給をベースに設定すればよいのですが、中堅レベルの人材についてはそうはいきません。その人材の経験、技能、スキルに見合った職位と給与を設定しなければ、求人の応募があっても採用に至ることはできないからです。

そのために選考時に「中途採用」希望者には、職務経歴書などを事前に提出してもらい面接、試験を経て、その人材の経験、技能、スキルを判定します。そして、実際にその人材の採用を決定した際に、この判定に基づいて職位と給与を提示し雇用契約を締結することになります。

ところが難しいのはここからで、「中途採用」した人材が想定通りの能力を発揮できず、期待した成果を残してくれない場合があるということです。例えば、営業課長として月給額40万円で採用した人材が、採用後半年を経過した時点で主任程度の能力しかなく、当然に営業課長としての期待実績には程遠い成果しか残せないということが分かったときです。

この状態に至ると経営者としては、「何故、この人材と営業課長の職位と給与での雇用契約を結んだのだ。」と採用担当者に憤りたくなります。しかし、どれだけ採用時に面接や試験を行っても、採用担当者が全ての「中途採用」人材の経験、技能、スキル等を正確に判定することは難しいものです。(これは採用専門の企業や外部コンサルタントに判定を依頼しても同じです。)従いまして、全てが採用担当者の責任ではなく、能力判定の「齟齬」はある程度あり得ると経営者には考えていただきたいと思います。

一方、「中途採用」された人材側も「自分も営業課長として期待された成果は残せるはずと思ったが、結構この会社はレベルが高いなあ。今後も営業課長としての成果を求められ続けられると正直、しんどいなあ。」と困惑する場合もあります。「できれば、給与が下がってもいいので、もう少し職位を下げて欲しい。」と思っている人材もいる可能性もあります。

では、どうするかですが、予め能力判定の「齟齬がある」ことを想定して「中途採用」人材の職位と給与を「仮」に設定するということです。具体的には、採用時の職位や給与は「仮格付け」「仮設定」であり、1年(あるいは半年)経過した段階で正式に決定すること説明して雇用契約を締結するということです。設定した期間の成果を分析して、「期待通り」であればそのままの職位や給与とし、「期待通りではない」場合は成果に基づいて、改めて適正な職位と給与に設定し雇用契約の内容を見直すことです。

 

もちろん、「このような『仮格付け』の採用となりますが、よろしいですか。」と雇用契約締結の際には「中途採用」人材の同意をとって、その旨を契約書に記載しておくことが必要です。できるだけ、「仮格付け」どおりに職位と給与が正式決定されることが望ましいのですが、そうではない場合に無用なトラブルを防止するためには必要な制度ではないかと思います。

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