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No.230話:雇用契約解消の決断は早いに越したことはありません。

面接や試験を丁寧に実施して、慎重に人材を選考採用しているものの、入社後に会社が期待した能力を発揮できないケースはどうしても生じるものです。このような事態にあっても、会社は採用した責任がありますから、能力育成を続けて雇用維持に努めようとします。これは至極当然のことと思います。

しかしながら、いくら教育指導を続けても期待した能力を発揮できず、成果を残せないままでいれば会社のみならず、従業員にとっても不幸です。「この会社では自分の能力が発揮できないな。このまま在職し続けてもストレスが貯まるだけだ。」と、その従業員が負担に感じている場合もあります。

そのような状態において従業員から「御社の業務は自分には合っていないようです。別の会社に就職したいので退職します。」と申し出てくることもあり得ます。会社としては、労力や費用をかけて採用した人材なので、つい「そう言わず、もう少し頑張ってみてください。」と慰留してしまうことが多いようです。

慰留すること自体は間違っていないと思いますですが、その後の当該従業員に対する何らの育成プランもないまま、単に「退職させるには忍びない。」という理由だけでは困りものです。その従業員の人生に係ることですし、本人も相当な覚悟をもって決断しているのですから、安易な慰留は無責任だと思います。

上記のように退職を申し出る人材が「能力不足」であっても、慰留して在職させることで大きな影響が生じます。素行に問題ある人材が退職を申し出た場合の慰留は更に多大な営業が生じる場合があります。遅刻や欠勤が多い、あるいは仕事のサボタージュや同僚とのトラブルを繰り返すといった人材は、雇用を継続しても行いが改まる可能性は低く、損害が増えるだけです。このような人材から退職の申し出があれば、そのまま受け付けるのが常道です。

また、退職の申し出だけでなく、「雇用契約を解消したほうがよさそうだな」と解雇を決断した際は早めに対応に移すに限ります。前述の素行に問題がある従業員について解雇を検討したものの、「無用な解雇トラブルは避けたい。」「もう少し、教育指導を強化すれば素行が改まるのではないか。」と、解雇を躊躇してしまうことは考えものです。「会社は何もしない。」と会社をなめてかかり、素行が改まるどころかエスカレートすることもあり得ます。すなわち、決断の遅れが将来に禍根を残すことになりかねません。

人事労務において「あの時に辞めてもらっていればよかった。」「あのまま在職させてしまったから、今回のような大変な事故を招いてしまった。」ということは、残念ながら枚挙にいとまがありません。雇用契約の解消は「今、このときに。」のチャンスを決して見逃さないことに限ります。

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