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No.234話:「ワークライフバランス」の意味を誤解しないこと。

「これからの従業員の労務管理は『ワークライフバランス』が重要になります。」近年、コラムやセミナー等でことあるごとにお話をしております。「重要」が意味するところは、「ワークライフバランス」を意識していない会社は、従業員には「魅力がない」と思われてしまい、人材が確保できなくなるということです。

人員不足の中、人材が確保できくなるということは企業の存続に大きな影響を及ぼします。放置すれば当然、深刻な事態を招きかねません。従って、経営者のみなさんは「ワークライフバランス」という言葉には高い関心を持っています。しかし、その一方でその目的や意味が解らず、誤って認識している経営者が多いように思います。

「プライベートを重視するあまりに、会社の繁忙期を無視して好き放題で休まれるようになっては困る。」「緊急の仕事が発生して当日に残業を命じても、拒絶されるようになるのではないか。」という経営者からのご懸念は、その顕著な例ですね。

「ワークライフバランス」は読んで字のごとく、「ワーク(仕事)」と「ライフ(生活・人生)」の「バランス(調和)」です。前述のように自分のライフスタイルを尊重するあまりに、仕事を疎かにするようでは「バランス」とは言えません。「ライフ」偏重では「ワークライフバランス」の意味するところとなりません。

昭和のころの「モーレツ社員」や平成初期のバブル時代の「24時間戦えますか?」CMのように、「ワーク」偏重の職場風土を反省して、もっと従業員の「ライフ」も尊重する職場を創出しようというのが「ワークライフバランス」の目的です。

働いてもらうべき時はしっかりと働いてもらうし、必要であれば残業も休日出勤を従業員に命じても問題ありません。一方で休んで欲しい時はどんどん休んでもらえるようにすることです。

全員が必要ではない残業があるときに、ある従業員から「すみません、今日仕事のあとで同窓生と久しぶりに飲みにいく約束したので、残業せずに定時で退社してもいいですか?」と申し出があったときに、「あー、大丈夫、大丈夫。今日はこの人数でできるから。今度、残業があったら頼みますね。だから、そっちの飲み会を優先してよ。楽しんできてね。」が言えればいいのです。

「ライフ」を尊重する土壌が整えば、「緊急事態だ。悪いけど全員に今日は3時間ほど残業をお願いしたい。」という事態が職場に発生しても、軽いプライベートの約束があっても従業員はそちらをキャンセルして、快く「ワーク」を尊重してくれるようになると思います。

状況に応じて「ワーク」を重視し、あるいは「ライフ」を重視するように「バランス」よく柔軟に対応できる職場風土が、より多くの日本の企業で育まれるといいですね。

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