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No.235話:従業員の「期待を裏切る」と高くつきます。

今日はクリスマスです。子供のころ、朝起きたときにサンタクロースにお願いしていたプレゼントが、枕元に置いてあって狂喜乱舞したものです。逆にお願いしていたおもちゃとは違う、ノートと鉛筆だけが置いてあるとひどくガッカリして、泣き出すこともあったのではないでしょうか。(ノートや鉛筆でも素敵なプレゼントには変わりはないのですが。)

親の立場になれば、子供の「期待」が経済的に高すぎると、それに答えられないもどかしさを感じながら、何とか納得してもらえそうなプレゼントを用意することになります。もちろん、子供の一方的な思い込みや願いレベルのものでしかないのですが、それでも「期待」に及ばなければ、子供は何らかの不満を残すことなります。では、大人の世界ではどうでしょうか。

大人の場合は「こうあって欲しい」という、一方的な「期待」に応えてもらえなかった場合は「やっぱり無理だよね。期待した自分が甘いということ」と諦めることの方が多いように思います。あるいは「このまま自分のこのささやかな『期待』に応えてもらえないようなら、応えてもらえるように自分でできる行動を起こそう」と考えるのではないでしょうか。

会社における労働者と経営者の関係も同じようなもので、「営業ノルマを120%達成したので、今度のボーナスは昨年よりも大きく上回るはずだ。」「この春の異動で、希望していた部署に配属されるはずだ。」という、労働者の「期待」に経営者が応えられないと労働者の「諦め」で済めばいいのですが、「他の会社で頑張ろう」という行動に移される危険性があります。

「労働者の『期待』に100%、応えることなんてできない」ということは、会社の事業運営をしている経営者としては当然のことと思います。労働者が自らの「期待」を具体的に表明していても、また、個々の労働者が口にせずとも経営者として、労働者の「期待」がつかみ取れていても同じです。「できないものはできない。」ということです。ただ、労働者の「期待」に応えられないというリスクは認識しておく必要がありますし、度々、繰り返すようであれば、そのリスクの度合いが高まるということです。

以上は、労働者からの一方的な「期待」から生じるものです。一方で会社から労働者に「期待」を持ち掛ける場合は、それ以上のリスクが生じることになります。「営業成績が好調なので、今度のボーナスは昨年の倍額を出すから楽しみにしていてね。」「以前から希望していた部署に欠員が出たので、来春からは配属できるからね。」と会社が労働者に「期待」を持たせる場合です。

会社が「期待」を持たせているにも関わらず、「いやー、不測の損失が生じたので今度のボーナスは昨年並みで許して欲しい。」「希望していた部署に欠員は出たものの、規模縮小で人員補充が取りやめになったので、来春の配属はなくなった。」となれば、労働者の失望は計り知れず、会社への信頼が大きく失われることになります。

「話が違うではないですか。ボーナスを期待してすでに高い買い物をしてしまった。どうしてくれるのですか。」「希望部署に行けると思ったから、転職の誘いを断ったのに。」という労働者の怒りは、今後の彼らの働きぶりの低下となって現れてきます。これは会社にとって大きな損失でもあります。「期待を裏切れば高くつく」ということにならないように、安易な「期待」創出は慎みたいですね。

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