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No.238話:「合わない」会社に居続けることは、その人にとって本当に幸せ?

先日、「従業員本人も入社以来、一生懸命に仕事を覚えようとしている。会社も日々、懇切丁寧に仕事を教えている。しかし、仕事を習得できずにいる。後から入社した従業員にもすぐに抜かれてしまう。本人は真面目に業務に取り組んでいるが、可哀そうなほど仕事を一人でこなすことができない」という経営者のご相談を頂きました。経営者として「何とかしてあげたい」という切実なお気持ちが伝わる内容です。

勤務態度は至って良好なのですが、「仕事ができない」という状態。普通に考えると「一生懸命に仕事を覚えようとすれば、必ず上達するものだ」ということなのですが、そうはいかないこともあります。「何か、きっかけがあれば、途端に仕事ができるようになる」ということもありますが、必ずそうなるわけでもありません。何故そんなことが起こるのか。簡単に言えばその人にとって、その仕事が「合わない」ということです。

あるいは仕事は期待通りに遂行できるものの、職場でストレスを抱えてメンタルヘルス不調で休むことが多いという従業員もいます。仕事ぶりも楽しそうではなく、意欲的でもなく、「もっと成果が上げれるのに」と上司が思っても、それ以上のことができないタイプです。

「どうしたの?」と事情を聞いてみると、仕事には不満はないが職場の人間関係であったり、その会社の社風がその人には「どうも性格的に苦手なんです」という答えが返ってきたりします。要するに職場や会社が「合わない」ということです。

単純に仕事や職場が「合わない」といいますが、従業員にとって「合わない」仕事をさせられ、「合わない」職場で仕事をすることは苦痛でしかありません。「仕事なんだから」「従業員として雇われているのだから」という理由で、会社は彼らをそのままにしておくこともできますが、苦痛のままで仕事を続けていれば、前述のようにやがては体調を崩して、休業を余儀なくされることになりかねません。

「合わない」仕事を続けることや、「合わない」職場で仕事を続けることは、本人にとって何の解決になりません。鍵穴に違う鍵を入れても一向に開錠できないのと同じです。有効な解決策は「合わない」仕事や職場を変えてあげる他はないということです。

とはいうものの、仕事や職場を変えるということは大きな会社であれば可能ですが、規模の小さな会社ではそうはいきません。従業員自身が「この仕事(職場)は向いていないな」と転職(退職)を申し出てくれればまだしも、様々な事情で退職を逡巡してしまう場合は解決ができないままということになります。退職を躊躇しているケースでは、思い切って会社から転職(退職)を提案することも必要だと思います。

「人手不足の中、会社からの退職提案は抵抗がある」という経営者もいます。しかし、転職先で「水を得た魚」のように活き活きと仕事に取り組んでいる従業員も数多くいることを踏まえていただき、その従業員の人生のためにも前向きに検討していただきたいと思います。

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