『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

0798-36-7188

無料メルマガ登録

今週のコラム、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。

登録解除

No.240話:「無断欠勤・遅刻」はどう考えてもNGです。

クライアントから労務管理のご相談に応じていると、「え?」と耳を疑うときがあります。「2ヶ月前の入社以来、度々体調が悪くて欠勤する従業員から午後になって連絡があり、『今日も休ませて欲しい』とのこと。わが社では雇用を続けることは難しいと思いますが、今後どうすればよろしいでしょうか。」というものです。

欠勤の際は会社に本人から連絡があるようですが、連絡があろうがなかろうが、あまりにも欠勤や遅刻・早退が多いようでは会社としては雇用継続に不安を感じて当然かと思います。「体調不良」という、その従業員の事情は酌む必要がありますが、その回数が多いようでは会社として「戦力」として当てにできません。

そもそも、従業員には雇用契約に基づいて「誠実労働義務」が課せられています。すなわち、定められた日に定時に出勤・退勤し、誠実に(まじめに)労働力を会社に提供しなければなりません。「欠勤や遅刻が度々ある」ということは、上記の義務を履行していない、すなわち「債務不履行」を犯していることになります。「債務不履行」は契約解除の正当な理由になります。

問題はこの従業員の「債務不履行」を目の前にして、会社が厳しく「債務履行」を督促(「体調を整えて、欠勤を無くすように」「ちゃんと定時に出勤するように」など)していないことです。督促もせず、欠勤や遅刻を繰り返しても雇用契約を解除するわけでもなく、そのまま「様子見」をするようでは、会社が労務管理を放棄していると言わざるを得ません。

「人員が不足しているから、解雇すると職場が困る。出勤不良でも在職してくれるだけでもマシだ」という考えをお聞きすることもあります。深刻な人手不足の状態を目の前にしていれば、「ごもっとも」といいたいところです。一旦その人材を解雇すれば、人員補充のためにまた求人や面接、選考、採用手続きという人事実務が大きな負担となることから、二の足を踏んでしまうこともよくわかります。

しかし、従業員の欠勤や遅刻に甘い「勤怠管理」が緩い会社は、労務管理もお粗末です。労務管理が脆弱な会社は、労災事故も多いものです。また、優秀な人材からは敬遠されます。在職中の優秀人材の流出が進むと労働生産性は低下します。同時に優秀人材の流入が期待できなくなります。一方で「勤怠管理の甘い会社」の評判が労働市場に流れれば、勤務に不誠実な人材を呼び込むことになりかねません。そのような会社の行きつく先は目に見えています。

そうならないためにも、体調不良が理由で欠勤が続く従業員がいるのであれば、病院で診察を受けさせるとともに診断書を提出させるように指示することです。「無断欠勤・無断遅刻」は論外です。「たかが勤怠管理」と思わず、「まずは勤怠管理から」と思いを改めましょう。

コラム一覧

無料メルマガ登録

今週のコラム、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。

登録解除