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No.258話:「生え抜き」人材を確保して、育てることは人事戦略の要諦です。

「入社前にイメージしていた仕事ではなかった」「配属先の仕事は自分が希望していた仕事と違う」こういう理由で入社早々に退職を選択する方がいます。会社としては「期待の新人」を育てる前に失ってしまうのですから、「やむを得ない」で済む話ではありません。世間から見ても「もったいない」と思うばかりです。

雇う側からすれば「全ての新卒入社の従業員に初めから思う通りの職場や仕事を提供できるわけがない」「仕事なんてやってみないと自分に適しているかなんて判断できないだろ」と言いたいのやまやまですが、退職を選択した彼らにとっては説得力の欠ける言葉かもしれません。

近年において「新卒入社組は社会人経験が少ないから、仕事の善し悪しや向き不向きを直線的に判断してしまうが、その点経験豊富な中途採用組は上手く消化して仕事に慣れてくれる」と、つい新卒採用のウエイトを下げて、中途採用に重点を置く会社が増えてくることもわからないでもありません。しかし、新卒入社は会社にとって魅力的な人材であることは間違いないと思います。

「終身雇用」が見直されている今では古い言葉かもしれませんが、「生え抜き」と呼ばれる人材が多い会社は組織としての基軸がしっかりとしています。「生え抜き」人材には「外の世界を知らないから柔軟性に欠ける」「保身に走り『社畜』になりかねない」等のご批判もあろうかと思います。しかし、「生え抜き」人材がいるかいないかでは、会社の安定度が大きく左右されるという見方もあります。

「人材の流動化」という現状ではありますが、10年先20年先の会社を任せることができる、「生え抜き」人材を確保することは人事戦略上とても大切なことなのです。「入社前にイメージしていた仕事ではなかった」等と簡単に退職されては、会社の人事戦略に大きな痛手となると認識する必要があります。では、どうすべきなのでしょうか。

新入社員にとって「意に沿わない仕事」であろうとなかろうと、会社から新入社員が直面している仕事の目的や意味を会社経営の観点から俯瞰的に丁寧に説明することです。「新入社員ができることは職場の掃除だ」でも構わないのです。そこに「なぜ掃除をするのか」の説明が不可欠です。ただ「文句を言わずに黙って掃除をしなさい」では、今の若い人材には「理不尽だ」と受止められかねないということです。その行きつく先は「不本意な仕事をさせられた。退職する」という選択です。

今どきの若い人材には、「言われた仕事をしていなさい」は通じません。「この仕事は会社事業にとって、このような位置づけであり、このような効果をもたらしてくれる」等と今、取り組んでいる仕事の意味や目的を正確に伝えてあげることです。全ての人材に伝わらないかもしれませんが、「意に沿わない仕事だった」と言って退職する人が少なくなることにはつながります。

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