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No.265話:新入社員には「疎外感」を抱かせないこと。

「先日、入社した3名の内、2名が1ヶ月も経たずに退職してしまいました。」この手のお話は、労務コンサルタントをしていると常に耳にします。「何故?」と調べてみても職場でパワーハラスメントが行われたわけではなく、むしろ親切・丁寧に対応していたにもかかわらず退職されたのですから、会社側としては悩んでしまって当然です。

退職された会社としては、その人材を採用するまでに多くの時間と労力、そして費用を投入しています。これらを回収する前に退職されれば「損失」であることは間違いなく、またその人材の補充のために新たに時間と労力、そして費用が発生することになりますから、馬鹿になりません。

さて、彼らが早期に退職する理由については、「これが原因だ」というものは正直申し上げてありません。会社やその人材によって理由は様々だと思います。人材の志向については会社としては対策の立てようはありませんが、会社に原因がある場合は放置すれば同じことが繰り返されますから、万全の対策を講じる必要があります。

会社に原因がある場合について、全ての会社に共通するものを特定することは前述のとおり困難です。ここでは、想定される一つのものを紹介したいと思います。あくまでも、「こういうことも退職の原因のひとつにありますが、あなたの会社でも該当しないか検討してみてください」という程度に受け止めてください。

それは、大切に人材を指導育成するあまりに、その従業員本人が職場に対して「疎外感」を感じてしまうというものです。「仕事の具体的な進め方は丁寧に説明している」「新入社員から質問があれば、その都度答えている」が徹底されていることは全く問題ありません。一方で「仕事を覚えるまでは、残業をせずに定時で退出して良いからね」「1年間経過するまでは、プロジェクトに参加しなくていい」は、会社としては正しい対応のように思えますが、従業員には「早く職場に貢献したいのに、参加させてもらえない」「職場の一員として認められていない」という「疎外感」を感じさせてしまう場合があるようです。

これも人材個々によって受け止め方は違いますが、「早く職場で認められたい」「少しでも会社の事業の一翼を担いたい」と感じている従業員には、「逆効果」になりかねません。従業員の志向によっては「まだ、入社して1ヶ月しか経っていないけれども、この新しいプロジェクトに協力してくれないか」と声を掛けてみてもいいかもしれません。「是非、やらせて下さい」と申出があれば、参加させていいと思います。

 

新入社員に限らず人間は職場で「疎外感」を持つと、「不安」を感じるものです。人間は「不安」から逃れたくなり「不安」のない状態を欲するようになります。すなわち「この会社から離れよう」という気持ちになるということです。

そうならないように人材によっては、経験不足であっても思い切ってプロジェクトに参加させるなど、一人前のメンバーとして受け入れるようにしてあげてみてはいかがでしょうか。

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