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No.268話:従業員の賃金の引上げ時を見間違えないこと。

会社経営をしていれば、少なからず「迷い」の事態に遭遇します。一般には「新規工場を建設すべきか」「この事業を売却すべきか」といったものですが、「従業員の賃金の引き上げをすべか」も「迷い」が生じる場面です。

会社の財政状態として、人件費に全く余裕がなければ「迷い」が生じるどころの話ではありません。しかし、人件費の増加にある程度、会社の財務状況が対応可能であれば、経営者として「迷い」が生じます。

すなわち「ここ数年、賃上げもできずに従業員には頑張ってもらった。会社の業績も上向き加減なので、これまでの頑張りに報いて、このチャンスに従業員には更なる業績に貢献してもらうように賃上げをしてみようか」というポジティブな考えと、「従業員に報いたい気持ちはあるが、万が一に会社の業績が下がった場合には、たちまち財務状況が悪くなるかもしれないから、賃上げはちょっと様子見したほうがいいかも」というネガティブ考えとの「迷い」です。

「迷い」が生じるとネガティブな考え方、すなわちリスクを想定して対応を図るという選択が、経営者として最も安全な判断ではあります。しかし、ここ数年はこのネガティブな考え方により、特に中小企業では従業員の賃金が低位で推移してしまっています。その期間が長ければ長いほど、従業員は働く会社に魅力を失い「転職」という選択をしてしまっていることも近年の実態です。

そこで、このような状態を抜け出すためにも、そろそろあえてポジティブな考え方を持つことが必要ではないでしょうか。すなわち、「賃金引き上げができるときに、思い切って取り組んでみる」ということです。確かに経営者としてはリスクを度外視したように思えますが、一方で会社経営にはタイミングを「見計らう」目も必要です。

「今まで頑張って会社に貢献してくれてありがとう。お待たせして申し訳なかったけれども、ようやく今年はわずかばかりではあるが賃金の引き上げができました。今、会社の業績は回復してきているので、何とか皆さんには頑張って欲しい」というメッセージに、意気に感じる従業員は多いはずです。このような従業員の頑張りは更なる業績向上につながると期待して良いと思います。

経営上のチャンスは何度も巡ってくるものではありません。そして、チャンスを上手くつかむことができるのは、ネガティブな考えのときよりも、ポジティブな考えのときです。そろそろ「挑戦的」に賃上げに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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