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No.272話:「会社の将来は今の若い人材が担う」ということです。

「あなたの会社の10年後、20年後を担える人材は誰ですか?」と聞かれれば、現在20代30代の従業員であることは「自明の理」です。彼らがベテランの域に達して、10年後20年後にバリバリ働いて、活躍していればあなたの会社の未来は明るいということです。

しかし、昨今は雇用の流動化、ハイクラス転職が「花盛り」の時代です。せっかく新卒採用して教育育成を施しても、20代30代で別の会社に転職されてしまう事案が増えています。逆に中途採用で20代30代の人材を受け入れることもありますが、彼らにしても何人かは3年から5年で転職してしまいます。

いずれにしても現状は会社に定着してくれる20代30代が少ないということです。実はこの状態は会社にとって深刻な問題です。冒頭の問い掛けで行けば「会社の10年後20年後を担ってくれる人材がいない(あるいは極めて少ない)」ということになります。将来の会社の中核人材がいなければ、「会社の未来は明るい」とはいかなくなります。

ご多分に漏れず、どこの企業も「人材不足」に頭を抱えています。現状の「人材不足」を補うために、多くの企業が従来の新卒採用だけでなく可能な限り好条件で人材の中途採用を進めています。これによって雇用の流動化は従来にもまして進展しています。

従いまして、新たに中途採用される人材もあれば、転職していく人材もいることはやむを得ざることです。また、「即戦力」を標榜し30代40代の経験豊富な人材の採用に積極的になることも仕方のないことです。しかし、一方では経営者として長期的な視野も忘れないことです。

すなわち、30代40代を中心とした中途採用に注力しすぎると、年齢別の人材構成においてその年代が分厚くなりすぎ、若年人材とのバランスが崩れてしまう可能性があるということです。これは前述したとおり10年後20年後の中核人材が不足し、会社の将来に影を落とすことを意味します。

「20代や30代前半の人材を採用しても数年で転職される。それなら、経験豊富な30代後半や40代の人材を採用したほうが経営的な効果が大きい」との経営者のご意見は理解できます。確かに費用と労力を投じて採用したにも関わらず、若年人材はかなりの確率で流出してしまいます。効率面から考えれば定着率の高いベテラン人材の採用に費用と労力をかける方が良いと思います。

それでも会社の将来を考えれば、20代30代の人材の採用と教育育成を続けるべきです。もちろん彼らの多くは流出していくかもしれません。しかし、「この会社が好きだ。この会社で定年まで活躍したい。」という人材も出てくるはずです。そんな人材が一人でも多く会社に残ってもらえるように、諦めずに知恵を出して工夫をしていきましょう。

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