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No.278話:部下の成長には上司の質問力が問われます。

上司や先輩が、入社して間もない部下や後輩に「仕事で分からないことや、困ったことがあればいつでも聞いてね(相談してきてね)」と、気軽に声を掛けることはとても大切です。声を掛けられた部下や後輩も「はい、分かりました。そのときはお願いします」と返事。ところが、その後は「なしのつぶて」の状態。

上司や先輩にすれば「質問や相談がないわけがない」と逆に不安に感じていると、ある日突然、部下や後輩から「仕事についていけません」「自分にはこの仕事に適性を感じません」といって退職を申し出られる始末。実はこのような事例が規模の大小や業種・職種に限らず近年増えてきており、各企業で頭を悩ませています。

「『仕事についていけない』『仕事に適性を感じない』と悩んでいるのなら、早く相談してくれればよかったのに」と、上司や先輩が言いたいお気持ちは理解できますが、質問や相談が来るものと「待っていた」ことには「物足りないですね」と感じます。

残念ながら以前のように、仕事の後の「ちょっと、一杯行くか?」といった食事会・飲み会が憚れる風潮となっています。「アフター5」の食事会などで、部下や後輩が心を許して自然に仕事の質問や悩みを、上司や先輩に相談する機会が失われてしまっています。従って、上司や先輩は職場において勤務時間中に部下や後輩からの、仕事の質問や悩みを相談に対応しなければなりませんから、とてもハードルの高い課題となります。当然のことながら「待っているだけ」では済む話ではありません。

そもそも入社したばかりの部下や後輩は、自分の仕事について「何がわからないのか」さえ理解していない状態であることを上司や先輩は知っておくべきです。「何が分からないのか」が分かっていないのですから、「何を質問したらいいか」に至っていないわけです。ゆえに部下や後輩から「質問や相談がない」状態になる訳です。

では、どうすべきかですが、部下や後輩からの「質問や相談を待つ」のではなく、上司や先輩から「質問をしていく」ことです。ただし、「どうですか。今の説明で見積書作成の手順は理解できたかな」「株式会社○○の担当者への問い合わせの回答の内容について、分からないことがあったかな」ではダメということです。その質問に対して、部下や後輩からは「はい」か「いいえ」しか返ってきません。

上司や部下からの質問とは、「昨日、レクチャーした見積書の作成手順について、もう一度、逆に私に説明してくれるかな」「先にお願いした株式会社○○への問い合わせだけど、担当者はどのように回答してきたかな。その回答を受けて現時点であなたはどのような対応をしようと考えているの」といった、部下や後輩が自分で考えて答えを導き出さなければならないような質問であるべきと考えます。すなわち、問われているのは上司や先輩の「質問力」なのです。

「質問力」のない問いかけだけでは、部下や後輩は「思考力」を磨くことはできません。考えることが無ければ仕事に対しての「気づき」や「感動」を得ることはなく、成長につながることはありません。その行きつく先は「仕事についていけない」「仕事に適性を感じない」という気持ちです。部下や後輩にそんな思いをさせないためにも、上司や先輩は自身の「質問力」を磨くことを心掛けてください。

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