『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

0798-36-7188

無料メルマガ登録

今週のコラム、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。

登録解除

No.279話:強制的に部下を動かしても効果は薄いということ。

「笛吹けども踊らず」と言う言葉があります。奏者が笛を吹いても踊り子が踊らないのと同じように、リーダーが指示を出してもメンバーが動いてくれない状態を言います。グループのリーダーとしては、頭を抱える事態であり、会社組織であれば生産性向上の停滞を招く「好ましくない」状態です。

このような「笛吹けども踊らず」で表さられる状態は、つい「踊らない」側、すなわち「動かない」側であるメンバーに問題があるように捉えがちです。確かに理由もなくサボタージュするケースや、リーダーに敵対心丸出しで指示に従わないケースであれば、メンバー側に問題があるといわざるを得ないでしょう。では、そうでない場合のメンバー、すなわち部下の「動かない」理由とはどこにあるのでしょうか。

考えられることは2つあります。一つは部下の理解力が乏しいケースです。リーダーである上司が丁寧に、あるいは詳しく説明しているにもかかわらず、部下が指示内容を理解できずに「間違って動いてしまう」もしくは「思惑通りに動いてくれない」というものです。

このような場合には、同じような指示を同じ上司が繰り返しても、たとえ丁寧かつ詳細に説明しても、劇的な改善は期待できないと思います。従って、思い切って指示する側の上司を変えてみるといいかもしれません。例えばサブリーダーを通じて指示を出すというものです。このときの留意点としては、いままで上司が指示していたものと同じではいけないということです指示の発信者が変わったのですから、違う角度や視点で指示を出してみることです。

もう一つは、そもそも上司の指示が「マズい」というものです。部下の理解力を考慮せずに安易に指示を出すというケースや、自分自身が指示する仕事の内容を理解しないまま指示を出すというケースです。これでは指示を受ける部下の方はたまったものではありません。あげくには指示が理解できずに部下が上司に確認しようとすると、面倒くさそうに対応する、あるいは「なぜ、わからないんだ」と怒り出すようでは、部下が「動く」どころの話ではありません。

このような状況に至らないためにも、上司が指示を出す前に「部下が理解できる、納得して動いてもらえるためには、どのような指示が良いか」を十分に考えることです。ポイントは上司の理解力と部下の理解力は違うということを踏まえることです。

あわせて大切なことは、部下に喜んで動いてもらえるような指示を出すことです。指示の内容に理解納得できるだけではなく、部下が「これは確かに社会にとっても、会社にとっても価値のある必要な仕事だ。是非とも万全を期してこの仕事に臨みたい」と喜んで動いてもらえるような指示を出すことです。

間違っても「黙って指示に従え」と強制的に仕事をさせないことです。理不尽に仕事を押し付けられても、部下が発揮する仕事の効果は薄いものです。逆に従わされた部下には禍根を残すことになりかねませんから、絶対に慎むに限ります。

コラム一覧

無料メルマガ登録

今週のコラム、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。

登録解除