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No.284話:「去る者は追う。来る者は拒む」が雇用の基本です。

「去る者は追わず。来る者は拒まず」すなわち、組織の門戸を広く開けて「入りたい」と思う人はウェルカムで積極的に迎い入れ、一方で組織を去っていく人は引き留めることはせずに自由にさせることで組織を活性化するという考え方があります。趣味や娯楽、勉強会のようなグループであれば、この考え方は有りかと思いますが、会社の従業員雇用という場合はどうでしょうか。

現状の人手不足の中、採用の場では「来る者は拒まず」以上に、もっと「緩い」状態が散見されるように思います。例えば従来の採用基準では「不合格」という人材も、躊躇なくどんどん入社させるという状態にある会社が増えてきています。しかし、これは受け入れる職場にとっては「スキル不足」「経験不足」の人材を抱え込むことになります。結果として、「生産性の低下」や「他の従業員の負担増」といった職場の混乱を招きかねません。

「緩さ」による「人材採用ミス」は、職場での教育指導ではほとんど挽回不可能です。「来る者は拒む」というと極端に聞こえるかもしれませんが、採用基準に及ばない人材は例え厳しい人材不足の状態でも、「入れない」が採用時の基本と考えましょう。

次に従業員の退職時ですが、せっかく会社が労力と費用をかけて採用し、かつ教育訓練して、やっと戦力として活躍できる状態になったのに、「去る者は追わず」と格好つけている場合ではないですよということです。その反対で、「頑張って退職を翻意させる」ことに必死になるべきです。

ただし、「ここまで、あなたに会社はいろいろとしてあげたのに無責任ではないか」と「恨み言」をいって、翻意させようとすることは禁忌です。あくまでも、その人材の「これまでの実績」「上司や部下からの評価」等のファクトに基づく「今後の期待度」を説明し、今、会社を退職することによる「その人材にとってのメリットとデメリット」を伝えることです。それにより本人が「今、退職して他の会社に転職することは、どうもデメリットが大きい」と判断すれば退職を翻意すると思います。

このような説得を続けても退職を翻意しない場合は、「残念だけれども、次の会社での活躍を祈っているよ。もし、万が一、次の会社で上手くいかなかったら、遠慮せずに相談してきてね」と、気持ちよくその人材を送り出してください。

このようなやり取りの中で、退職する人材が「この上司は自分が思っていた以上に、自分のことを親身に考えてくれた。ありがたいことだ。もし、機会が巡ってきたら、この会社で再び働いてもいいかもしれない」と思わせることが大切です。その人材が戻ってくることが無くても、その人材からの情報であなたの会社に興味を示して入社を希望するかもしれませんからね。

いずれにしても、人材の雇用にあたっては「去る者は追わず。来る者は拒まず」ではなく、「去る者は追う。来る者は拒む」が基本ということをお忘れなく。

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