『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

0798-36-7188

無料メルマガ登録

今週のコラム、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。

登録解除

No.297話:「転職される」を理由に人材育成を躊躇するなかれ。

「ジョブ型雇用」が日本国内の企業でも導入されていますが、それでもまだまだ多いのが新規学卒者を「終身雇用」するという従来の雇用スタイルです。さて、このスタイルで切り離せないのが人材育成です。「ジョブ型雇用」のように会社が必要とするスキルを有する人材を雇用するわけではありません。経験もスキルもない学校を卒業したての若い人材には、当然ですが教育訓練が必要になります。

しかし、実際には「終身雇用」を維持する会社における、若い人材への教育訓練は実は以前に比べてレベルダウンしています。それは時間的な側面、あるいは資金的な側面、両方から見て取れます。かつて人材育成に競い合うように各企業が「数日間の合宿研修」や有名な講師を招いて実施する「高レベル研修」などからわかるように、時間も資金も投入していた頃と比較すると隔世の間があります。

では、なぜ近年において多くの会社で若い人材への教育訓練に熱を帯びなくなってしまったのでしょうか。ひと頃は多くの企業で長期化する景気の低迷により企業収益が振るわず、バブル期のように人材育成に資金投入できませんでした。しかしながら、近年は大手企業を中心に企業収益は改善されてきています。従って、多くの会社では人材育成に資金投入をする余力がないという状態は脱していると考えられます。

にもかかわらず、会社の自社の人材に対する教育訓練への時間と資金の投入がまだまだ不足している背景は何でしょうか。様々な事象が考えられますが、大きな要因と考えられるのが、昨今の若い人材を中心とした「人材の流動化」です。若い人材の多くが最初に入社した会社に定年まで勤続することを志向しなくなったということです。

すなわち、会社側が時間と資金を投入して若い人材のスキルアップのための教育訓練を施しても、数年の内にそのスキルをもって別の会社に転職してしまうというリスクがあるということです。確かにこれでは怖くて会社は人材育成に、必要最低限の時間と資金しか投入できなくなります。従って、多くの会社が人材育成に注力できないことはよく理解できます。

しかしながら、敢えて提言します。若い人材の多くが数年の内に、あなたの会社から流出すると分かっていても、若い人材に時間と資金を投入して教育訓練を施すべきだと。若い人材は日本社会の将来の希望です。社会から恩恵を受けている会社が「数年で若い人材の多くが転職してしまう」という理由で、人材育成に躊躇してはいけないと思います。

5年後、あるいは10年後を想定して、「この職務を遂行できる人材に育てる」「このスキルを有する人材に育成する」というビジョンをもって教育訓練に取り組むことが、日本社会に資することになります。そのことは巡り巡ってあなたの会社に還元されると信じて、勇気をもって人材育成に取り組みましょう。

コラム一覧

無料メルマガ登録

今週のコラム、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。

登録解除