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No.300話:「感情」ではなく「事象」を叱る技術を身につけること

パワハラ防止措置が事業主に義務化されて以降、経営者・管理職の皆様には「良かれと思って放った一言が命取りになるのではないか」と、腫れ物に触るような部下管理になってはいませんか。

しかし、「パワハラを恐れて指導を止めること」は、部下に対する最大の不誠実であり、会社の組織運営に反する行為になるのではないでしょうか。「パワハラが怖い」と嘆いている場合ではありません。パワハラとはならない、正当な「指導」とは何かを正しく認識することが大切です。では、その為には何が必要でしょうか。

管理職が萎縮する最大の原因が「パワハラの境界線が曖昧だ」と感じていることにありますから、まずもって、パワハラの定義を正確に理解することが大切です。「労働施策総合推進法第30条の2において、パワハラは「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「労働者の就業環境が害されるもの」の3要素をすべて満たすものと定義しています。

逆を言えば、「業務上必要かつ相当な範囲」であれば、パワハラに該当しない正当な部下への「指導」というです。ミスを指摘する、遅刻を叱責する、目標達成のために奮起を促す。これらは企業の存続に不可欠な「正当な業務命令」です。部下の感情的な「ショックを受けた」という主観だけで、パワハラが成立するわけではないことは言うまでもありません。

管理職には「何を言ってもパワハラと言われそうだから、何も言わない」という方もいますが、これは当然「優しさ」ではありません。管理職としての「職務放棄」に外ならないと認識すべきです。適切な指導を受けられない部下は、自分の非に気づかず、市場価値の低い人材へと退化していきます。結果として、その部下の将来を奪っているのは、沈黙を選んだ管理職自身となるのですから。

部下への「指導」は、「感情」ではなく「事象」を叱る技術を身につければ、恐れることは何もありません。その「指導」をする上でのポイントの一つ目は、「人格否定の排除」です。「お前はダメだ」ではなく「この資料のこのデータが間違っている」と事実を指摘することです。二つ目は、「目的の共有」。「なぜ叱るのか」を、会社の利益や部下の成長という共通言語で語ることです。そして、三つ目は「One on One」。同僚が衆人環視する場での「晒し者」はNGです。部下と一対一で毅然と話すことは管理職の義務と心得ることです。

厳しいことを言うようですが、経営者・管理職の矜持を忘れてはなりません。部下に嫌われることを恐れていては、真のリーダーシップは発揮できません。プロ野球の名監督たちがそうであったように、厳しい指導の根底に「この子を一人前にしたい」という一貫した信念があれば、それは必ず伝わります。

そして、万が一、正当な上司の「指導」に対して「パワハラだ」と不当に主張する部下がいるならば、経営者は全力で上司を守らなければなりません。その姿勢を見せることで、管理職は現場の指揮官として、臆することなく部下と向き合うことができるのですから。

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