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No.301話:「人を育てることの面白さ」を管理職に伝えること。

昨今、多くの経営者から「次世代のリーダーが育たない」「優秀な若手ほど管理職への昇進を断る」という切実な悩みを聞くようになりました。かつては出世こそが働く最大のモチベーションでしたが、現代の労働者にとって、管理職は「責任だけが増え、板挟みで疲弊する割に合わない役職」に見えているのが現実です。

しかし、これは労働者の意欲低下だけが原因ではありません。むしろ、組織の構造と「管理職」というロール(役割)の定義が、時代にそぐわなくなっているという構造的ミスマッチの結果といえます。

では、なぜ「管理職」は敬遠されるのでしょうか。まず、現代の管理職は、高度経済成長期とは比較にならないほどの負荷を背負わされています。自身のプレイング業務を抱えながら、メンバーのマネジメントもこなす「プレイングマネージャー」が常態化しているのですから大変です。

また、コンプライアンス遵守、メンタルヘルスケア、ハラスメント対策など、求められる「守り」の業務が激増しました。一方でワークライフバランスを重視する世代にとって、残業代が消え、会議に追われる管理職の姿は「魅力的なロールモデル」とは映りません。この状況を打開するために経営者がまず着手すべきは、「管理職=偉い」から「管理職=専門職」への転換という、管理職に対するパラダイムシフトです。

まず、「管理職になること」だけがキャリアの成功であるという単一の評価軸を捨て、高度な専門性を極める「スペシャリスト職」と、組織を動かす「マネジメント職」を明確に分ける複線型人事制度を徹底させるべきです。「マネジメントができないから昇進させない」のではなく、「マネジメントという異なるスキルの専門職へ転換する」という認識を組織に浸透させてください。

次に必要なのは、管理職の業務削減です。一人の人間に「目標達成」「人材育成」「労務管理」「戦略立案」のすべてを完璧に求めるのは、もはや現実的ではありません。マネジメントを「分解」し、身軽にすることが大切です。

事務的な管理業務はAIやアウトソーシングに委ね、リーダーが「対話」と「意思決定」に集中できる環境を整えます。マネジメントを一人のカリスマに頼るのではなく、育成担当、進捗管理担当など、マネジメント機能をチーム内で分散させる「シェアード・リーダーシップ」の導入も有効です。

最後に、最も重要なのは「人を育てることの本質的な面白さ」を伝えることです。管理職を単なる「管理作業員」にしてはいけません。自分の関わりによってメンバーが成長し、大きな成果を上げる。その醍醐味を実感させるには、経営者自身が楽しそうに、誇りを持って組織を導く姿を見せることが不可欠です。

管理職不足は組織の「OS」をアップデートする絶好の機会でもあります。若手が「あの人のようになりたい」と思えるような心理的安全性が高く、かつ創造的なリーダーシップの形を、あなたの会社の独自の文化として再設計してみてはいかがでしょうか。

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