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No.303話:「働かせ方改革」で未来への投資を

近年、政府が推し進める「働き方改革」は、ともすれば「残業時間の削減」や「有給休暇の義務化」といった、コンプライアンス遵守のための「守り」の施策として捉えられがちです。しかし、企業の成長を牽引する経営者にあえて提唱したいのは、それらを「働かせ方改革」という攻めの視点に置き換え、企業価値を最大化させる「未来への投資」へと昇華させる発想です。

従来の日本型雇用では、長時間労働が「会社事業への貢献」の証として評価される側面がありました。しかし、人口減少に伴う労働力不足が深刻化するこれからの時代において、時間は最も希少な経営資源です。従って、労働時間の「量」よりも付加価値の「質」に対する評価が高まっている現在の状況は、当然の成り行きと言っていいと思います。

提唱させていただいた「働かせ方改革」の本質は、単に仕事を減らすことではありません。ITツールの導入や業務プロセスの徹底した見直しにより、付加価値を生まない付随業務を削ぎ落とし、従業員が「その人にしかできないクリエイティブな仕事」に集中できる環境を整えることです。

そして、労働時間の短縮によって生まれた時間を、会社・従業員双方にとっての損失ではなく、新たなスキルを習得する自己研鑽の時間であり、イノベーションの種を見つけるためのリフレッシュの時間に代えていくことです。これこそが、数年後のあなたの会社を支える無形資産への投資となります。

また、近年のビジネストレンドである「人的資本経営」の視点に立てば、従業員はコストではなく、価値を生み出す資本そのものです。中小企業が大手企業との競争に勝ち抜くためには、限られた人数でいかに高いパフォーマンスを発揮させるかが鍵となります。そこで重要になるのが、会社の管理・監督による「統制」から、従業員の自律性を重んじる組織体制へのシフトです。

具体的にはまずもって、「柔軟なワークスタイルの提供」です。個々のライフステージに合わせた働き方を認めることは、優秀な人材の離職を防ぐだけでなく、組織への帰属意識を高めます。そして、「心理的安全性の確保」です。失敗を恐れずに意見を言える環境を整えることで、現場からの改善提案が活発化し組織の硬直化を防ぎます。すなわち、経営者が「いかに効率よく働かせるか」というマインドセットを「いかに従業員が輝ける舞台を用意するか」へと転換したとき、組織全体の生産性は飛躍的に向上します。

「働かせ方改革」を成功させるための究極の指標は、従業員のウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)です。心身ともに健康で仕事にやりがいを感じている従業員は、顧客に対しても質の高いサービスを提供でき、それが結果として顧客満足度の向上と業績拡大につながるという「幸福の循環」が生まれます。

また、こうしたポジティブな労働環境は、最強の採用ブランディングとなります。「この会社なら自分らしく成長できる」という期待感は、どんな高額な求人広告よりも強い引き寄せる力を持ちます。

いずれにしましても、「働き方改革」を法規制への対応という「コスト」と見るか、企業の筋肉質化を図る「投資」と見るか、この視点の差が10年後の企業の存亡を分けるといっても過言ではありません。成長し続ける企業の共通点は、経営者自身が「人の力を信じている」ことです。

「働き方改革」という機会を自社の文化や仕組みをアップデートし、従業員一人ひとりの可能性を解き放つ、そんな「働かせ方改革」という名の未来への投資を、今この瞬間から始めてみませんか。その決断が、貴社の次なる黄金期を築く第一歩となるのではないでしょうか。

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